2005年2月 エジプト旅行 | |
プロローグ | |
アエロフロートでカイロへ(このページ) | |
カイロ初日その1 | |
カイロ初日その2 | |
カイロ初日その3 | |
カイロ2日目その1 ピラミッド巡りサッカーラとダフシュール | |
カイロ2日目その2 ピラミッド巡り ギザ | |
カイロ3日目 カイロ市内巡り考古学博物館ほか | |
モスクワトランジットその1 | |
モスクワトランジットその2 |
アエロフロートでカイロへ さてアエロフロートはネットで探してみてもひどい書かれようである。しかし、旧ソ連時代や社会主義から資本主義へ移行する混乱期の話だったり、書き手が海外初経験だったりして必要以上に大げさに書かれていたりしているのもあった。例えば着陸時に拍手が起こることを以てロシア人もアエロフロートを信用していないという記述もあったが、アメリカだって80年代では拍手が起きたし、今でもロシア以外の国でも拍手の習慣がある所がある。これは信用どうこうと言うより飛行機に乗るという行為の大衆化の問題だと思うのだが・・・他にも客室乗務員が通路の幅より広いだの愛想がないだのと散々な書かれようだ。一方パイロットは軍出身だから上手いというのも少なからずあったが、逆に普通は客席に座っていてはパイロットの腕なんては分からないものだ。着陸時の衝撃が少ないと言いたいのかもしれないが、衝撃を少なくすべくアプローチの角度を緩くするとこは着地地点をはずすリスクが高いことでもあるから、オーバーランなどのリスクが高いことになる。旧ソ連期の航空機の性能上そういうことなら仕方がないが・・・因みに成田に降りた時は私の経験の中でも有数のハードランディングだった。 さてチェックイン。同一航空会社を乗り継ぐ場合、普通はチェックインもスルーでされて、ボーディングパスも通しでもらうものだと思うのだが、アエロフロートは取りあえずモスクワまで。遅れて乗りつげなくなったりすることを考慮してのことなのだろうか・・・でも荷物はスルーでチェックインできるから不思議ではある。右手を骨折しているので右側に他の人や通路が来ない席、つまり右側の窓際を旅行会社に事情を話してあらかじめ指定してもらっていたこともあり、無事右側の窓際の席が取れた。 アエロフロートにもFFPがある。しかもマイルの有効期限が最後の加算から3暦年で失効とNWやUA同様になった。但し今のところ提携先も実質ないといえるうえ、モスクワまで行くのに必要なポイントが大きい、つまり特典利用に最低越えなくてはならないハードルが高い。しかし、アエロフロートはスカイチーム入りが内定していて、現在その水準にあわせるべく準備段階なのだが(そのせいか2005年の3月より今までキロだったポイントがマイル制になった)、正式加入となればひょっとして大韓航空とかでもつかえる可能性が・・・と思って取りあえず入っておいた。どうせ会費はタダだし、あとで遡って加算は出来ないから。よってチェックイン時ナンバーを告げ登録してもらう。
さて成田への到着便が1時間遅れて到着したものの、ターンアラウンドで挽回したようで定刻30分遅れでいよいよ搭乗。ベクトルは普通と違う向きなものの、飛行機に乗るのにどんな飛行機かこんなにワクワクするのは久しぶりだ。2月8日SU576便の機材はボーイング767。飛行機が悪名高いイリューシュンとかがお退きになり、西側のアメリカンスキーなボーイングになろうとも、ソビエト連邦は崩壊後も、なお鎌とハンマーのマークを使い続けているのがうれしい。(そんなことにうれしがってどうすると自分で突っ込みを入れたくなるが。(なお05-06年の冬ダイヤより全便成田〜モスクワはボーイング767に逆にモスクワ〜カイロはツポレフ154になります)) 座席は合成皮革の安っぽいシート(派手な青が安っぽさを際だたせる)ながら2−3−2配置でシートピッチもまあまあ広い方。余談だがこれも事前には不安要因だった。767は普通は2-3-2配置なのだが、スカイマークのような詰め込み方式だと2-4-2配置もある。しかも某○カロス出版の雑誌(ここはいい加減で有名ではあるが)だとか某旅行会社のサイトのシートマップには2-4-2配置ででていた。帰国後次の日には出勤の身。帰りに機中で寝られるかは大問題だったので、2-4-2では辛すぎると心配ししていたのだが杞憂に終わった。 前方のテレビには美人だがニコリともしない人が現れていつもの安全設備の説明を始めたが・・・テープがすり切れていて結局なにをやっているか分からなかった。が、そのまま離陸。客室乗務員は普通に愛想がいいのだが、ビデオの冒頭の人のピクリともしないんじゃないかと思うほど凍り付いた表情が妙に印象に残る。さて日本海を渡りロシアの大地が見えてきたところで食事。ビーフ、チキン、フィッシュの三種類から選択。エコノミーで三種類からの選択は初めてだ。迷った挙げ句フィッシュを選択。メインは白身魚のクリームソースがけとピラフ。飛び抜けて美味しい訳では無いが普通に美味しい部類だ。なお離陸後しばらくして食事の前にピーナッツと飲み物のサービスはあるが、普通の航空会社のように、食事を配られるとき同時には飲み物サービスはない。但し食べ終わった頃に紅茶かコーヒーのサービスは来る。私のように食事時に同時に飲み物が飲みたい人はあらかじめ準備して乗るのが良いだろう。
モスクワ到着前に2度目の機内食(軽食)がでる。今度はサンドイッチがメインのコールドミール。現地時間は夕方ですぐ夕食を食べることもあってそれでも不足感はない。そうやっているうち(寝ていれば)に、計10時間あまりの飛行時間はあっという間に過ぎ、モスクワ=シェレメチェボ空港への着陸態勢に入る。雲が低くたれ込めていたせいか、雲を抜けたときは町と呼べるものは見えず、森の中に降りていくような感じ。(成田に初めて降りる外国人も田んぼとゴルフ場の中に空港があったとか思うのだろうけど。)日本の街灯程度の必要最低限の明るさしか無い照明のターミナルに入り、TRANSITの矢印に従い階段を下りようとすると小さく「domestic」の文字が。あれっと思って立ち止まると階段脇にカウンターが3つ出ていて国際線のトランジットの手続きはそこでするのだった。 私はエコノミーの先頭の方だったこともあって飛行機を降りて2分もしないうちにカイロまでのボーディングパス発券手続きは完了。カウンターを通り過ぎて免税品店や搭乗待合室のエリアに・・・行けない。ガラス張りの荷物検査をするような部屋は行き止まり。ドアも開かない。狭い空間に手続きを終えた人が行き場を失って貯まってくる。カウンターに戻って聞いても一言"wait”。ドアの向こうの免税店などが並ぶエリアからはこちらの様子が丸見えなこともあって、ガラス張りの行き止まりの空間に閉じこめられるというのは、動物園の動物はこんな感じなのかと思ってしまうほど、見せ物にされているようでもあり精神衛生上よろしくない。 15分ほどしてイライラが貯まってきたところでやっと係員が来て扉を開ける。開放にして勝手に人が行き来するのを防ぐ目的なんだろうけど、余計なストレスが貯まった。そこを抜けて指定されたゲートの前で待とうとすると今度は座る椅子が10程しかなく先客で埋まっている。仕方がなく別のゲートの前のベンチで待ったのだが、シェレメチェボ空港は基本的に利用者の事、特に乗り継ぎ客のことはなんにも考えてくれていないようである。そもそもトランジット客が行き来するスペースが極端に狭い上、設備があまりない。お金を落とす施設、つまり免税品店や高いレストランはちゃんとあり、照明も煌々とついているのだが・・・これから200人乗りの飛行機に乗るべく人が待っているというのに、椅子は10個、すぐ隣のゲートの分も合わせてもとても足りない。椅子にあぶれた人は階段に座り込んだりしている。雰囲気は空港と言うより駅の待合室のそれに近い感じだ。 ここでカイロ行きが出るまで3時間あまり過ごしたのだが、幸いこれから東欧に卒業旅行に出かけるという学生の方や、早大の旅行サークルの愉快な皆さんと旅話で盛り上がっていたらあっという間に時間をつぶすことができた。次のカイロ行きの機材はエアバスA320(但し夏ダイヤからはツポレフ154)。しかも新しい。機内放送で日本語のアナウンスがないことを除けばサービスそのものは全く同じ(成田便の機内放送はロシア語英語に続き日本語もあるのだが、一生懸命なんだけどどこか滑稽なロシア語訛りの発音でされる。)。食事はチキンかフィッシュの選択だったのでチキンにしたら、味付けはさっきと同じクリームソース。フィッシュにしておけばとちょっと後悔(美味しかったけど)。 全般的なアエロフロートの感想をまとめると、昔は驚くようなエピソードがあったかもしれないが今は意外と普通の航空会社。最初から期待していなければ失望することはないであろう。但し安いチケットだから仕方がないと色々あきらめるような寛大な心だけは持っていた方がいいかもしれない。遅れるとか(但しこれは一流といわれている航空会社でもとんでもなく遅れることはある。特に冬雪が降る所へ行く場合は)、荷物が荒らされるとか(当然貴重品は預ける方にはいれない、預けなくて済むなら預けない位の自己防衛は必要であろう)、乗り継ぎの空港がひどいと(これはその通りである)言うことは確かにあるかもしれないが、ようはその辺をどれだけ容認できるかでしょうな。
定刻深夜0:30にカイロ着陸。カイロはモスクワと違って明かりも多く、大都市という感じがする。上空から見ると緑の明かりが目立ち、随分大きな信号だなと最初は思ったが、それはモスクの照明だった。タラップを降りバスでターミナル1に入ると入国審査。その前に両替とビザ代(というより入国税か)の印紙を買わなければいけない。USD1がEL(エジプトポンド)5.785になった。一方円は100円がEL5.479(EL1=18.251円)。ということはUSD1のキャッシュを買うのには107.30円必要だったのでドルを介在するとEL1=18.5479円、直接円から両替した方がちとばかり得だった。(しかし銀行員の、しかも為替の仕事をしているくせにこういう計算は苦手でその場で出来ず、これを書いている段階で分かった(泣)。
到着ロビーで宿泊の予約をしていた「ペンションさくら」なる日本人宿のエジプト人オーナーの出迎えを受ける。今回は日程が短いので効率的に情報収集したり、色んな人の話が聞けるメリットがあると思ったので、宿泊は日本人宿にし、送迎も頼んでおいたのだった。(但し結果的にちょっと後悔。部屋はUSD10の割にはオーバープライスな感がしたし、オーナーや他の宿泊客が感じが悪いというか、私とはウマが合わなくて居心地が悪かった。)オーナーが手配したタクシーで宿に向かう($8也)。 |