2006年モロッコ・トルコ旅行 | |||
プロローグとイスタンブール(このページ) | |||
マラケシュへ | |||
プロローグとイスタンブール
旅のきっかけ モロッコは昔からあこがれていた場所の一つだ。イスラム圏の「迷路のような旧市街」が良く残っていることで有名だし(これは高校時代の地理の参考書に出ていたいろいろな町のつくりでフェズが紹介されていたこともあってトラウマになっている)、行ったことのある人でモロッコが良かったという人多いし、何より旧大陸では日本と正反対側に位置しているような国、一度は行ってみたいとかねがね思っていた。 しかし私の旅行パターンとモロッコは相性が悪い。モロッコは日本からはヨーロッパの更にその先に位置している。欧州系を使うとスムーズだが夏は私の予算を超えてしまうし逆に安くなる冬場は私が長い休みが取れない。そんなわけで行きたいとは思いつつ実現しないで今まで来てしまった。 さて2006年も夏を控えて旅行の計画を練っていたのだが、色々と諸事情から出遅れてしまった。当初の予定では沢山の候補地のうちトルコに行こうと思った。特に強い気持ちがあったわけではないのだが、2000年にイスラム圏としては初めてトルコを訪れて以来、シリア、、エジプト、UAE、イラン、ウズベキスタン、中国新彊とイスラム圏を回ってみてもう一度原点に返ってみて未訪問の黒海地方やアナトリア奥地を見るのも良いなぁと思った。 で、色々当たってみたところイスタンブールに行くのにキャンセル待ちすることなく予約が取れるのは、関空発のトルコ航空だけだった。これは関空便が復活してから日が浅く認知度が今一だったせいかもしれない。しかも値段もベースが10万円台とシンガポール航空とほぼ互角。しかも詳しく見てみると欧州便で一般的なタダで付く2フライトの範囲にカサブランカも付くことを発見。 フライトスケジュールもドンぴしゃだし、イスタンブール-カサブランカはかなり距離があるが、これがタダで付くとはお得感満点ではないか!羽田-関空が余計にかかるものの欧州系よりは格安だし、安さではピカイチのエミレーツはキャンセル待ちすら受け付けない状態らしいしというわけで、当初思っていなかったイスタンブール経由でのモロッコ行きが実現。 イスタンブールへ 復活したトルコ航空の関空便は、成田便が昼便なのに対して深夜発早朝着と変則運用。深夜発早朝着のパターンはトルコ国内便は勿論、カサブランカ行きも含めて欧州便に接続していてトルコ以遠に行くには便利なダイヤだ。(対して中東域内は深夜発が多いのだがこれもかえって中途半端な待ち時間を空港で過ごすよりイスタンブール市内に出てしまえば有効に時間を利用できる) 羽田から接続するJAL便のスケジュールが合わず、関空で時間をもてあましたが、たこ焼き食べたりネットをしたりしていざ搭乗。トルコ航空は例えばパーソナルテレビなどの設備はないけれど、基本に忠実なサービスというか乗っていて気分が良かった。
イスタンブール到着は早朝5時過ぎ。カサブランカ行きは10:30発と中途半端ながら時間があるので一旦入国することにした。ちょうど湾岸諸国からの到着便とぶつかり、フルフェイス防御の女性が沢山いて(女性の係官を呼んできてその人に対して顔の覆いを外してみせるなどするので)入国審査には時間がかかった。 時間はないがお金は節約したかったので、タクシーで最寄りの国鉄のイェシルユルト駅へ向かうことにした。今は空港の地下から鉄道が出ていてトラムに乗り換えて中心部に出ることは出来るのだが、路面電車区間などがあり、時間がかかると計算したのだった・・・が、タクシーの運転手はイェシルユルトへ行けという指示を聞くとあからさまに不愉快な顔をし、最初はゴチョゴチョ長い間待たされていたのにのような事を言っていたが、空港の敷地を出ると(敷地内でトラブルを起こすと出入り禁止になると推測する)、烈火の如く怒りだし、ハンドルを叩いたり車を広い道路で左右に振ったり急ブレーキをかけてみたりした。夜だったら怖かったかもしれないが、朝でのどかな雰囲気だったせいか、そんな運転していると車が傷むよとか、次はどうするかなと涼しく観察する余裕があった。そんなに怒っていたのにいざ駅に着くとチップとしてあげても良いような細かいおつりもよこし、駅の入り口はあっちだよと教えてくれたりした。この客は脅しても市内まで行かないとあきらめたのか・・・ ともかくボロい電車でシルケジ駅へ向かった。
行き交う人もまばらなエミノニュ桟橋から次に出る適当なフェリーに乗ってボスポラス海峡を渡る。このフェリーから見るイスタンブールの景色はお気に入りだ。早朝は人が少なく一人の世界に入りやすい。10分の船旅があっという間に感じられてアジアサイドのウスキュダルに到着。本当はウスキュダルの町を歩きたかったが、時間がないしフェリーの本数が少ないこともあってちょこっとふらふらしたところで折り返し便に乗ってヨーロッパサイドに戻った。 エミノニュ桟橋に戻って今回市内まで出てきた目的の一つ、スレイマニエ・ジャーミィーを参観。丘の上に立っているせいか日当たりが良く明るくて気持ちよい。本当ならのんびり昼寝でもしていきたいところだが、乗り継ぎの合間にちょっと都市へ脱走といった時間で来ていることもあり、時計とにらめっこといった感じなので、ほどほどにして空港に戻ることにした。カサブランカへの乗り継ぎ手続きはトランスファーカウンターで着いたとき済ませてあるので、空港へは出発30分前に到着するように、向かえばいいのだが・・・。行きと同じように国電でイェシルユルト駅まで行き空港に向かったが、駅で待機しているタクシー運転手は大喜びで空港へ行ってくれた。 スレイマニエジャーミー。シナンの傑作建築の一つ
カサブランカ行きの飛行機はイタリアの靴の先をかすめるようにして地中海を進みカサブランカ・ムハンマドV世空港へ向かう。いよいよ初めてのモロッコの旅の始まりだ。 黄土色が印象的なモロッコの大地 |