サンフランシスコ |
サンフランシスコまで今回アサインされたのは、エコノミークラスでもシートピッチが広い「エコノミープラス」。普通運賃やプレミアステイタスの人が優先的に割り当てられる。どんなに広いかと思ったが、言われて初めて少し広いかなと言った程度。それだけ普段狭いスペースに押し込まれていることになる。その広いスペースのおかげかサンフランシスコまではあっという間に着いた気がした。さわやかな朝だ。次のソルトレークシティーまでの乗り継ぎまで3時間ほどある。この時間を無為に過ごしては勿体ないというわけでレンタカーを借りてゴールデンゲートブリッジでも見るべく市内へ行くことにした。 今回の車はネットで調べた所、若干安かったアラモで借りた。わずかな時間だから当然一番安くて小さな車だ。指定された駐車場のスポットに行くと早速車が待機している。革張りシートでなかなか高級車だ。あっちこっちいじって車になれたところで出発だ。出口で契約書類を料金所のようなゲートに提出すればいいのだが、ここで契約書に記された車と乗っている車が違うという重大なことに気が付いた。我ながら間抜けである。どうやら一番小さい車という先入観があって隣の枠の車に乗ってしまったようである。レンタカーの駐車場に止めてある車はみんなキー付きなので間違えても簡単に乗れてしまう。慌てて戻り、本来割り当てられた車に乗る。本来割り当てられた車は最初の車より大きい。内装や装置もだいぶ落ちる。どうやら最近のアメリカ車はコンパクト化が進んでいて大きい車=いい車という事にならなくなってきたため、上のクラスの車の方が小さいという現象が起きていたのだ。(でも予約するときはでかさで選ぶから混乱する) 気を取り直して出発だ。余計な時間を使ってしまったので急がねばならない。サンフランシスコ市内へはこれぞアメリカ西部のフリーウェーといった感じの道で運転していて気持ちがよい。しかもゴールデンブリッジはこちらと至る所に看板がでていて迷うことはない。無事ゴールデンゲートブリッジのビジターセンターに着くことが出来た。レンガ色の美しい橋、青い海ばかりかヒンヤリした風など眺めばかりかここの雰囲気は最高である。つい長居してしまった。
さすがに3時間はトランジットで市内に行くには短い。空港に戻らなくてはいけない時間が迫ってきた。しかしその前にやりたいことがある。サンフランシスコ名物のケーブルカーに乗る事だ。乗れなくても写真だけでも撮っておきたい。幼少の頃親に連れられてサンフランシスコに旅行で来たときは、ケーブルカーのシステム自体が改修のため運休していたのだ。そういうトラウマは解消しておきたい所だ。ところがケーブルカーの線路は見つかったものの肝心の走っている姿が見れない。ウロウロしているうちに時間がいよいよやばくなってきたのであきらめて空港へ戻ることにする。 さて行きはゴールデンゲートブリッジの看板に従って行けばよかったが、帰りはケーブルカー求めて時間を浪費したこともあって、空港へ向かうフリーウェーの入口を捜すのは容易ではない。まして一人で運転しながら信号の合間に地図を見るのは結構大変。やっと見つけてフリーウェーに乗ったときはこれで間に合ったと安堵した。しかしまだ一つ障壁が待っていた。レンタカーゆえ満タン返しなので給油しなくてはならない。空港が近づいた所でスタンドを見つけたので早速寄る。殆どのアメリカのガソリンスタンドがそうであるようにここもセルフである。いざ給油すべくキャップを開けようとするが初めて乗る車ゆえ勝手が分からない。キャップを開けるまでかなり手間取る。やっとの思いでキャップを開けてさて給油である。クレジットカードを通し、説明通り給油機のレバーを握るがウンともスンとも言わない。なんどもやってみてもダメなのであきらめてスタンドの人に助けを求めるが、スタンドの唯一の従業員である兄さんは電話中で、しかもなかなか終わらない。やっと兄さんの電話が終わり、来てもらうと給油機をフックからただはずすだけでなく、フックになっている部分を更に下に下げないと、メインのスイッチが入らない構造になっていた。給油で約15分ほど無駄にしてしまった。 再びフリーウェーに戻り、空港を目指すものの一向に空港の出口が現れない。一度フリーウェーを降りて地図を確認してみるとなんと空港を通り越してしまったようだ。実は給油のために降りた出口が空港への出口だった。思い出してみれば空港の出口で降りたら目の前にスタンドがあったので給油したのだ。動転していたのか、給油しているうちにすっかりそのことを忘れてしまい再びフリーウェイに乗ってしまったようだ。我ながらアホである。レンタカーの返却手続きが終わったのは乗り継ぎ便の出発の5分前。わずかな希望を持ちターミナルへの連絡バスに乗るが、こういうときに限ってなかなか出発しないものである。いっそ50ドル札でもだして「バスを出せ!」と叫ぼうと思ったが、はしたないからやめた。ハイジャック検査を通って(当時は今と違ってなんっちゃって検査だったから時間も全然かからなかったものの)ゲートにたどり着くと、自分が乗るべき飛行機がまさにプッシュバックされてタクシングを始める所だった。(こんな時に限って定時運行なのである) 一気に身体から力が抜けへたり込んでしまったが、ユナイテッドの係にに事情を説明すると、本来は変更不可のチケットだったにも関わらず、次の便に乗せてくれることになった。ただし次の便まで5時間・・・3時間を無駄に過さないつもりが結局5時間無駄に過ごすことになってしまった。さすがに鉄道などで再び市内に行こうというのは自粛し(というかその気力はなかった)、5時間空港ターミナルをブラブラし、次の便でソルトレークシティーに着いた時は既に夕暮れ時。本来ならアイダホフォールズに着いているくらいの時間である。 結局再びレンタカーを借り(今度はハーツでフルサイズのクラス:フォード=トーラス)、夜の帳の下りたインターステーツ15号線をアイダホフォールズへ向け北上した。ユタ州を出て隣のアイダホ州に入ると町の灯りも少なくなってきて心細くなる。やっとの思いでアイダホフォールズに着いたのだが、市内(といっても町といった方がいい規模だが)をいくらウロウロしても宿が見つからない。ネットで予約したときプリントアウトした地図が大雑把で曲がる角を間違えていたことが最大の原因だったのだが、地元の人に聞いても市内の別のモーテル街を案内されたりしたため余計手間取ってしまった。都合一時間以上も市内を右往左往したあげくやっと見つかった宿(ホリデイインエキスプレス:アイダホフォールズ)にチェックインしたのは夜の2時半くらいだった。時差と長時間の夜間の高速ドライブで疲れ切っており、倒れ込むようにして寝た。
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