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2004年5月 韓国旅行
下関・門司
釜山を経て大邱へ(このページ)
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釜山を経て大邱へ

関釜フェリー
S氏と合流しフェリーターミナルへ。連休とあってごった返しているが、殆どが団体ツアーのようだ。12年前利用した時は担ぎ屋のポッタリジャンサのアジュマが幅を利かせ、あとは夏休みということもあって学生旅行客が殆どだったものだったが、今回は一部大量の荷物をカートに載せたポッタリジャンサらしき人も混じるものの、大多数の乗客はその辺の人を無作為抽出した感じで至って普通な人たちである。

団体優先で乗船手続きが進められたので、やや待たされ感があったが、あっさり乗船。本日の船は1998年建造の「はまゆう」。相方の「星希」と交互に運行されている。先代の「フェリー関釜/釜関」と比べて一回り大きく、また船内も綺麗である。最も大きな違いはいかにも船といった油の臭いがしないこと。船室も一等2人個室は二段ベッドであるものの、ビジネスホテルの客室といった感じがする。一等だけでなく、二等も船室が細かく別れているため、従来の大部屋雑魚寝というイメージはあまりしない。

船内を一通り探検し終わってしばらくたってからやっと出港。確か昔乗ったフェリー釜関はドラとアリランが流れてなかなかムード満点だったが、はまゆうは低い汽笛をならすのみ。夕闇迫るなか八幡製鉄所の工場の明かりを左に見たところで寒くなり食堂へ行って夕食。折角旅行に来ているのだから韓国料理を食べたい所だが全て売り切れ。残っているのは変わり映えのしないファミレス的なメニューのみだったのでやむを得ず生姜焼き定食を食す。

食事を取ったあとは船室に戻り、S氏は免税のビール、私はお茶をすすりながら韓国入国後は白紙だった旅のプラニングを練る。(つまみはめぼしいのがないので事前に買っておいて良かった) 色々考えた挙げ句、S氏が見たい所と私がまだ見ていない所を程良くミックスさせ、かつ温泉好きなS氏のために温泉がある所で宿泊できるルートができあがった。1等船室はお世辞にも広く開放的とはいえないものの、こうした話を夜遅くまでするには却ってちょうど良い広さである。船の時間の流れ方や走る速度(とろさともいう)は人間本来のペースに近く、また動き回わって気分転換したりすることも出来るので、この程度の時間乗っている分には流れている時間そのものを楽しめる感じがする。

そのあとも色々話が盛り上がり、就寝したのは12時過ぎ。外海にでて時折沈み込むような縦揺れがあるものの、至って順調に航行した。12年前先代フェリー釜関で初めて船で玄界灘を渡ったときは、台風の直撃を受け、立っているどころかじっと横になることも出来ないほど激しく揺れたのだった。あのときは正直もしかして沈んでしまうかもと思って熟睡はできなかったのだが、今回は安眠できた。
出発準備をする関釜フェリー「はまゆう」 模型が置かれたエントランスホール
(寝具が見苦しくて恐縮だが)1等船室。狭いが話をしたりするには却って具合がいい。手前にトイレ、シャワーあり 目を覚ますと釜山沖。極めて順調な航海だった。

釜山到着大邱へ
目を覚ますと既に朝食の時間。あまりにぐっすり寝たので釜山の夜景も五六島に登る日の出も逃してしまった。S氏は既に大浴場に朝風呂を浴びてきたらしい。レストランに直行し韓式朝食を食べる、イシモチの塩焼きがなかなかおいしく、韓国に来たことが実感させられる。食事を取っているうちに予想より早い時間に船は停泊地を離れ港へぐんぐん進んでいく。今回の目的の一つに沖合から釜山市と五六島を眺めることを考えていたので、逃してしまったのは失敗だった。
釜山沖合風景 コンテナ船とすれ違う
国際旅客ターミナルに先に横付けしている「カメリア」 国際旅客ターミナルの両替所

既に博多発のカメリアが接岸している(学生時代にこちらにも2回乗っており、懐かしい顔に出会った感じがしたが、この後間もなく引退したとのこと)横を通って釜山国際旅客ターミナルに接岸。船を下り、やたら野暮ったい雰囲気のターミナルで入国審査を受ける。インチョンの空港が背広を着たようにすましたようだとするならば、こちらは普段着といった具合。しかし誰かに連れて行かれてではない、初めて海外に足を下ろしたのはまさにこの地点だ。12年たっても変わらずにいてくれ、感慨を新たにすることが出来た。と感慨にひったりながら両替していると税関でアジョシが何やらもめているあたりが、海峡を渡って違う文化圏に来たことを教えてくれる。

KTXで大邱へ

さて今日はまず大邱に移動して海印寺を参観することにしたので、釜山の町から早速移動である。週末で列車は空席がないと危惧したが、取りあえず釜山駅に行ってみると、すぐ出るKTXに空席があるということなので、この旅行の一月前に開業したばかりの韓国版TGVのKTXにいきなり乗ることになった。

但しこのKTX、東大邱〜釜山間は専用軌道がまだ出来ておらず在来線を走行するので、この区間ではその高速性能を発揮することは出来ない・・・のでかかる時間も従来の看板列車のセマウル号とほぼ同じである。こっちは速く走れるものと思いこんでいるせいもあり、なんかフラストレーションが溜まる。たとえていうならばラッシュ時に前に列車がつかえて徐行を余儀なくされる急行列車みたいなものか。

同じ線路を同じ速さで走るのだが、KTXは台車が車両と車両の間にある構造上、従来の列車と比べると連結器がガチャガチャいうこともなく静かである。加えて空調の吹き出し口が窓の下にありファンの音が結構するので車内の騒音が消される格好になっている。もうすぐ東大邱駅に着こうかという頃、後ろの席から突っつかれた。見ると二人兄弟がお菓子を振る舞ってくれた。お礼に柿の種をあげると、喜んでくれた。ヨーロッパの列車をそのまま持ってきたので、無機質な感じがするKTXだが、こういう触れあいがあると旅の楽しさは倍増する。

KTX先頭車 KTX車内。それほど不快感は感じないが、座席の向きが固定式なのが不評らしい。
お菓子をくれた後ろの席の兄弟 東大邱駅に到着。乗車客を迎える車掌

釜山駅をでて約1時間で東大邱駅に到着。残りの旅程の切符を買ったり、コインロッカーを探し回ったり(国鉄駅には数が少ないが地下鉄駅には結構数があった)で手間取ったが、身軽になって海印寺へ向かうバスが出る大邱西部ターミナルへ地下鉄で向かう。この地下鉄は放火事件で多くの方が犠牲になったところ。事故があった中央路駅が惨事の記憶を消し去るためのせいか、やたら明るくペンキが塗られていたり、非常ドアコックの表示が特大に表示されているあたりに却ってその事を思い出してしまう。亡くなられた方の冥福を祈りながらソンダンモッ駅まで乗る。

非常時の扉を開ける方法が窓に大書されたテグ市地下鉄


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